10月12日の記念日
芭蕉忌(時雨忌)
カテゴリ
由来・理由
1694年(元禄7年)10月12日(旧暦)、江戸時代を代表する俳人・松尾芭蕉が、大坂への旅の途中に体調を崩し、同地で50歳で没した。忌日は「芭蕉忌」のほか、旧暦10月の異称「時雨月」にちなみ「時雨忌」とも呼ばれる。
雑学・小話
松尾芭蕉は「古池や蛙飛びこむ水の音」など数多くの名句を残し、俳諧を単なる言葉遊びから芸術性の高い文芸へと高めた人物として「俳聖」とも称されるとされる。晩年は各地を巡る旅を重ね、東北・北陸を歩いた紀行文『おくのほそ道』は今も日本を代表する古典文学として読み継がれている。死の直前に詠んだとされる「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」は辞世の句として知られ、生涯を旅に捧げた芭蕉らしい一句と評されている。忌日には「時雨忌」のほか、別号「桃青」にちなむ「桃青忌」、「翁」と呼ばれたことに由来する「翁忌」という呼び名も伝わっているとされる。全国各地に芭蕉ゆかりの句碑や記念館が残り、命日前後には俳句愛好者らによるしのぶ会が開かれることもあるという。
文化・芸術の記念日について
文化・芸術に関する記念日は、音楽・文学・美術・伝統芸能・映画など、人の心を豊かにする営みを称えるために設けられています。歴史的な作品の発表日や、文化施設の開館日、ある芸術分野の発展に貢献した人物の誕生日などにちなむものが多く、その日付ひとつひとつに物語が宿っています。文化は、長い時間をかけて多くの人の手で受け継がれ、磨かれてきた人類の財産です。記念日を入り口に、ふだんあまり触れない分野の作品に出会ってみると、新しい感性の扉が開くかもしれません。月を眺めて季節の移ろいを感じる感性も、こうした文化への親しみと地続きのもの。日々の暮らしに芸術の彩りを添えることは、心の余白を育てる豊かな習慣です。