7月20日の記念日
世界チェス・デー
カテゴリ
由来・理由
1924年7月20日、フランス・パリで国際チェス連盟(FIDE)が設立されたことに由来する。FIDEは1966年からこの日を「国際チェス・デー」として祝ってきたが、2019年12月12日、アルメニアが提案し52か国が共同提案国となった国連総会決議(A/RES/74/22)により、正式に「世界チェス・デー」として制定された。決議は、学校教育にチェスを取り入れ人口当たりのグランドマスター数が世界有数とされるアルメニアの実践も踏まえ、チェスが教育・平等・国家間の相互理解を促進する価値を持つことを認めている。第1回非公式チェス・オリンピアードの閉幕日に設立されたFIDEは現在200か国以上が加盟する。
雑学・小話
チェスの起源は約1500年前のインドにあるとされる。「チャトランガ」と呼ばれた古代のゲームがペルシャに伝わって「シャトランジ」となり、さらにアラブ世界を経て中世ヨーロッパに広まった。「チェックメイト」という言葉はペルシャ語の「シャー・マート(王は死んだ)」が語源とされる。 中世ヨーロッパでは貴族や騎士の間でチェスが盛んに楽しまれ、知性と戦略の象徴とされた。ルネサンス期には現在のルールに近い形に整備され、19世紀には公式の世界選手権が始まった。 FIDEが設立された1924年以来、チェスは国際的な競技として体系化され、世界中に広まった。現在は200か国以上の連盟が加盟し、世界チェス選手権は最も権威ある棋戦のひとつだ。女子の世界選手権は1927年に始まり、初代女王ヴェラ・メンチクは死去する1944年までの17年間、7大会連続で優勝し78局中77勝1分(無敗)という圧倒的な記録を残したが、1944年6月26日、ロンドン南部の自宅がドイツ軍のV1飛行爆弾の直撃を受け、母・姉とともに38歳で死去した。1962年から1978年まで王座を守ったノナ・ガプリンダシビリ(グルジア)は、女性で初めて男女を通じたFIDEグランドマスターの称号を得た人物として知られる。 1997年にはIBMのコンピュータ「ディープ・ブルー」が当時の世界チャンピオン・カスパロフに勝利し、人工知能の進化を世界に示した。現在はAIがトップ棋士を大きく上回る実力を持つが、人間同士の対局の魅力は変わらない。 2020年10月に配信されたNetflixドラマ「クイーンズ・ギャンビット」は、公開から28日間で6,200万世帯が視聴する記録的ヒットとなり、92の国・地域でトップ10入りするなど世界的な反響を呼んだ。この影響でオンラインチェス大手Chess.comの新規登録者数は5倍に増加するなど、コロナ禍のステイホーム需要とも重なってオンラインチェス・eスポーツとしてのチェス人気が世界的に急拡大した。一方で同作品にガプリンダシビリが「男性と対局したことがない」という誤った台詞で言及されたとして、彼女はネットフリックスを提訴し、2022年9月に和解が成立している。
出典
- United Nations「World Chess Day」
- UN adopts July 20 as World Chess Day - FIDE
- Vera Menchik - Wikipedia (English)
- Netflix Settles Gaprindashvili Queen's Gambit Lawsuit - Chess.com
情報更新日:2026-09-14